求人情報 お問い合わせ

音楽について

音楽著作権Q&A

1. 著作権法はどんな法律ですか!!

初めて目にすると大変難しく感じますが、著作権法は、社会に存在する「著作物」を守るための法律なので、実際の「もの」が特定できます。例えば音楽業界で「原盤権」と言っているものは、著作権法で定める著作隣接権である「レコード製作者の権利」とほぼ同義語です。実際に社会で流通している著作物の保護を目的としたものなので、難しく考えないで常識でとらえることが大切です。

2. 印税って難しいですよね!!

印税を理解するには、著作権法を知る必要がありますが、一般的には印税の種類を知る必要があります。音楽系の印税には大きく2つの流れがあり、一つはJASRACを通じた著作権印税、もう一つはレコード会社を通じた原盤印税に大別されます。それ以外の印税は、概ねその二つの中の一部です。 
たしかに計算方法は、PPD価格・小売価格等の計算基礎数の問題、ジャケット控除や出荷控除など意味不明の控除があり大変複雑になっています。これらは音楽業界における過去の積み重ねの計算ですね。業界全体として簡易な計算にすべきと思いますが、そうするとレコード会社等に不利になるため、簡易の方向は見いだせていません。

3. 著作権印税はどんなものですか

著作権印税は、音楽業界でなくても発生しますが、その部分は除き話を進めると、通常作詞作曲の印税が著作権印税といわれるものでJASRAC(他の管理団体を含む)又は音楽出版社から受けるものが一般的です。これはあくまでも著作権譲渡契約(著作権信託契約・管理委託契約を含む)から生じる収益です。

4. 原盤印税はどんなものですか

原盤権は、レコード製作者の権利とほぼ同義語とQ1で書いていますが、詳細に分析をすると異なることも多数あります。狭義の原盤権は、レコード製作者の権利と同義です。つまり、原盤印税は原盤権(レコード製作者の権利)から生じる印税です。ただし、レコード会社と原盤契約を締結すると、原盤の中に含まれるものとして、プロデュース印税、実演家印税、プロモーション印税などを包括した概念になっている場合が多いことでしょう。この場合の原盤権の中には、実演家の権利、プロデューサーの報酬、宣伝者の報酬などが含まれるため、レコード製作者の権利とは同義語になりません。

5. 編曲印税(アレンジ印税)はどのようなものですか

編曲印税は、印税の中でも実務上の取り扱いと、法律上の取り扱いが異なる典型の例です。法律上は、著作権の分類に入る権利ですが、実務上、著作権印税として分配されている編曲印税は僅かです。これは、いままで作詞作曲家の権利を守るために、権利者団体を含めアレンジャーに対して著作権の権利を認めなかったことに起因しています。そのため、実務上は、アレンジャーに対しては、プロデュース印税と称して、原盤権者が自分の取り分の中から印税を支払っているパターンが大多数です。

6. アレンジャーの権利以外に法律上と実務上の違いがあるものはありますか

出版権があります。法律上は、著作権法(79条~)に定める出版権があり、これは書籍の発行に関して独占的に出版できる権利ですが、音楽業界では、出版権と言った場合はまったく異なる意味となります。音楽出版社が所有する作詞作曲の著作権のことを、出版権と言います。これは、作家から音楽出版社が著作権の譲渡を受けてそれを管理しプロモーションを行い、CMタイアップを取ったり、ドラマと連動させたり販促活動をするのが音楽出版社です。

7. 契約書を見ているとレコードという用語が使われていますが古くないですか

実務的には死語となったレコード盤、1980年代にコンパクトデスクが商品化されてからは衰退の一途をたどったレコード盤です。ではなぜレコード会社とか契約書上レコードという用語がつかわれているか?それは、著作権法にレコードという用語が定義され、法律用語になっていることが大きいのです。著作権法では「蓄音機用音盤、録音テープその他の物に音を固定したもの」と定義されています。つまり法律用語では「音を固定したもの」がレコードですから、みなさんが考えているレコード盤とは違うことがわかります。法律ではレコード盤のことを蓄音機用音盤と言っています。法律が古いためこのような用語ですが、レコードはその原語と同じ「記録」の意味で使われていますから、古いわけではありません。